墓地へと続く階段に一匹の猫がいました。
ふと目を向けるとじっと目が合う。
「こっちだよ」と言わんばかりに私の前を歩いていきます。
ぴょんぴょんと軽やかな足取りで猫は歩き、
息を切らした私がついていきます。

広い墓地で目的のお墓はわかりにくかったのですが、
猫のあとをついて行ったら、迷わず辿り着くことができました。
そういう少し不思議な体験をして若狭姫のお墓にやってきます。

彼女は「日本で初めて国際結婚をした女性」という説がある方です。
彼女の父は火縄銃の国産化に成功した八板金兵衛。
その当時、彼は日夜、火縄銃の製作に勤しんでいましたが、
どうしても銃身の根元にある元栓の「ねじ」の作り方がわからない。
そんな苦悩している父の姿を見て、彼女は一大決心をします。

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父親のためにポルトガル人と結婚し、
遠い異国の地へと赴いたのです。
そこでねじの作り方を知り、日本に持ち帰ってきます。

彼女の結婚がなければ火縄銃の完成は遅くなり、
戦国時代の歴史も大きく変わっていたかもしれません。
歴史に大きな影響を与えた女性が種子島にいました。

知らない国、知らない土地にひとり乗り込んで、技術を会得する使命。
もし自分だったら...と思うととても真似のできる人生ではありません。
自分のためではなく、父のために生きた素晴らしく強い女性。
あの猫も、若狭姫のことを知ってほしくて、
先導してくれたのかもしれないな。

旅には出会いがつきものですが、
遠い昔の人との出会いもあるんですね。

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若狭姫墓地

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