北の奥地にひっそりと佇む神社がある。名は奥神社という。
島民の方から「境内に荘厳な大木があるから、行ってみるといいよ」
という情報を入手し、訪ねてみることにしました。

鳥居を前に一礼し、ゆっくりと足を踏み入れていきます。
ザッザッと小気味のいい砂利の音を立てながら参道を歩いていると、
左前方にアコウの大木が聳立。その大きさに息をのみます。

こんな木の姿は初めて見ます。
地中に姿を隠しているはずの無数の根が地上に現れ、
地面から上空に伸びています。
頭上では散らばっていた根が一点に集約し、
今度は枝が四方に伸びてゆく。
なんとも不思議で奇妙で神秘的で
見たことのない光景がそこにありました。

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国民的アニメ映画が頭をよぎります。
あの木の一部がスクリーンから抜け出して
地上に降り立ったようにも感じます。

「これはすごい」
「おおー」
「神秘的」

静かな境内に似合わない、無邪気な声が漏れだします。
その巨大さや、おどろおどろしい根っこを見ていると、
否が応でも圧倒され、神秘的な感覚を覚えてしまう。
しかも境内にあるという事実がその感覚に輪をかけてくる。
何か不思議な力を分け与えてくれそう。
そう思ったのも、きっと私だけではないはずです。

種子島の奥で静かにそびえ立つ巨大なアコウの木。
その存在は、いつまでも心に残っていました。

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