タネビトその5 古市家住宅管理人 鎌田秀一郎さん タネビトその5 古市家住宅管理人 鎌田秀一郎さん

歴史と自然を楽しめる町があります。


みんなが驚く、先人の知恵。

古市家住宅は国指定の重要文化財で当時の民家の代表的な建造物として誇れるものです。町の大きな宝物だと思っています。ありがたいことに全国各地からたくさんの人が訪れてくれますが、それだけ人を惹きつける歴史の痕跡がこの建物にはあると思うんです。

たとえば基礎石と柱の間に挟まれている銅板。おそらく白アリ対策と湿気対策です。それから赤く染まった欄間。身分の高い方に弁柄染めの習慣があったことが窺えます。そして連子窓。窓のスライドの具合で光と風の調節ができるんです。その窓に付けられたかんぬきもおもしろい構造をしています。他にもまだありますが、説明するとみなさん感心されます。昔の人の知恵に驚くんですね。

歴史的な民家で、
地域の活性化を図りたい。

私は勤め上げたあと種子島に戻って来ました。もともと中種子町の出身でいわゆるUターンです。人口が減り、子どもの数も少なくなり、かねてからこの町を元気づけるアイディアがないかなと考えていました。そんな時、古市家住宅の管理人の仕事に出会ったんです。

今、地元の小学生に向けて「古市家塾」という課外授業を開いています。春休みと夏休みにボランティアの先生をお呼びして習字を教えたり、語り部による昔の話や、竹馬、お手玉、おはじきなど昔の遊びを伝えています。また小学生向けとは別に俳句を詠む会を開催したり、それから隣の坂井公園で朝市をはじめてみました。地元の農産物や水産物を販売するイベントを企画したところ、たくさんの方にお越しいただきました。

古市家住宅の歴史を伝えていくだけでなく、さまざまな取り組みを行うことで地域の活性化を図りたいを思っています。

古市家住宅を中心としたこのエリアは環境がとてもいいんです。歴史の面では、3万5千年前の立切遺跡が近場にあり、坂井神社や、矢止め石、そして古市家住宅がある。周囲の自然は保存状態がよく、近くの川にはエビやカニがいて子どもの遊び場にもなる。大ソテツもあります。また少し離れて熊野海岸に行けば、歴史のある熊野神社という神社があり、その周りにはマングローブ林など豊かな自然がある。古市家住宅のエリアをはじめ、そういう歴史と自然が楽しめる町として、この地域がたくさんの人に活用されたらいいなと思っています。

■ 種子島の好きな場所

私は熊野海岸が好きです。近くにはマングリーブ林があり、キャンプ場があり、沖にはエアーズロックのような見応えのある島があります。非常に景観のいい場所です。とくに沖に現れる島影がすごく素敵なんですよ。私のいちばんお気に入りの場所です。

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