種子島は北から、西之表市・中種子町・南種子町と三つの行政区に分かれている。
観光施設としては有名なJAXA宇宙センターが南種子町。
種子島開発総合センター「鉄砲館」が西之表市で、南北にゆくことになる。
真ん中の中種子町は観光ということでは、意外に知られていない穴場的スポットが点在している。中でも次の3か所は国内でも数少ない場所と、レアな景観は必見といえる。
まずは市街地にある、「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物資源研究センター 種子島研究部」という長い正式名称。地元の人は「薬草試験場」と呼んでいるように、生薬と言われ漢方薬につかわれる薬草の研究が主目的。
見どころは広大な敷地内にある多くの薬草。身近な花のシャクヤクが実は薬草であることに気づいたり、聞きなれたカカオが樹になる様子が見られたり発見はおおい。
所在地
薬用植物資源研究センター 種子島研究部
〒891-3604 鹿児島県熊毛郡中種子町野間松原山17007-2
電話:0997-27-0142(代表)
http://wwwts9.nibiohn.go.jp/
次に挙げるのが「増田宇宙通信所」という種子島にあるJAXAのもう一つの施設。
旧宇宙開発事業団の施設として、1974年に種子島に設けられ、人工衛星からの電波を受信し、人工衛星が正しい軌道、位置および姿勢を保っているかどうかを監視したり、搭載している電子機器が正しく機能しているかどうかを知るためのデータを、筑波宇宙センターに送ったりしている。
そして、この施設は太平洋戦争中に日本海軍の飛行上場があった場所で、近くには戦時中の施設の一部も残されており自由に見学もできる。
所在地
JAXA増田宇宙通信所
〒891-3603 鹿児島県熊毛郡中種子町増田1887-1
電話:0997-27-1990(代表)
https://fanfun.jaxa.jp/visit/masuda/
最後は「馬立の岩屋」(またてのいわや)と呼ばれる海岸浸食によってできた洞窟。種子島には「千座の岩屋」(ちくらのいわや)という有名な観光地があるが、「馬立の岩屋」へは途中の道路が急な下り坂や細い林道にあり車同士のすれ違いも厳しいほどだ。そのためかここを訪れる観光客は稀で、種子島に詳しい人も知る人は少ない。景観は太平洋に面して荒々しい磯が続くなかにポツンと抜けた浜の脇で、岩肌をくり抜いた洞窟が大きく口を開ける。
ここには古くからの民話も伝わり、種子島を統治していた第10代当主種子島幡時(1403年~1462年)が修験道で籠り行方知れずとなった場所だ。綺麗な海岸と伝説に秘められた場所へ行ってみてはどうだろう。